【R5年3月期決算から改正】法人税別表6(31) 賃上げ促進税制

税務情報

先月の決算まであった法人税別表6(29)が無くなってます・・・

所得拡大促進税制って、何か改正があったのでしょうか?

実は、R5年3月期の決算申告から別表様式が改正されています!

(旧)法人税別表6(29) ⇒ (新)法人税別表6(31)

所得拡大促進税制の別表は、ここ数年変更が続いており要注意です。

今回は、いわゆる【所得拡大促進税制】 ⇒ 改め【賃上げ促進税制】につて
ご紹介します。

【R5年3月期決算から改正】
法人税別表6(31) 賃上げ促進税制

所得拡大促進税制と賃上げ促進税制の違い【一覧表】

まず、違いを簡単な表にまとめると以下になります。

【中小企業】資本金1億円以下、従業員1000人以下
  所得拡大促進税制     賃上げ促進税制
法人税
別表
別表6-28又は29 別表6-31(+付表一)
適用
時期
R5.2月決算まで R5.3月決算から
要件 雇用者全体の給与が
1.5%以上増加
雇用者全体の給与が
1.5%以上増加
法人税
控除率
前年1.5%
以上増加
15%控除 15%控除
前年2.5%
以上増加
30%控除
上乗せ措置 教育訓練費
10%以上増加
上乗せにて、
最大25%控除
上乗せにて、
最大40%控除
経営力向上計画 証明が必要 証明は不要
明細書の要件 明細書添付必要 会社保存のみでOK

改正の適用要件と控除率【中小企業】

  • ①雇用者全体の給与が前年度比1.5%以上増加した場合は、その増加額の15%が税額控除されます。(変更なし)
  • ②前年度比2.5%以上増加した場合は、30%の税額控除となります。(改正)
  • ③教育訓練費が前年度比10%以上増加した場合には、税額控除率が10%上乗せされ、最大40%の税額控除となります。(変更なし)
  • ④所得拡大促進税制では最大25%の控除率でしたが、賃上げ促進税制において最大40%の税額控除をすることが可能となりました。
  • ⑤経営力向上計画の証明要件は廃止されることとなりました。(改正)

別表様式の変更過程について

中小企業 大企業
R3年3月期 別表6(25) R3年3月期 別表6(24)
R3年12月期 別表6(25) R3年12月期 別表6(24)
R4年3月期 別表6(28) R4年3月期 別表6(27)
R4年12月期 別表6(29) R4年12月期 別表6(28)
R5年3月期 別表6(31)
別表6(31)付表1
R5年3月期 別表6(31)
別表6(31)付表1

大企業バージョンの改正点について

✓大企業向けの改正点です。

  • ①継続雇用者の給与が前年度比3%以上増加した場合には、雇用者全体の給与増加額の15%が税額控除
  • ②前年度比4%以上増加した場合には、25%の税額控除
  • ③教育訓練費が前年度比20%以上増加した場合には、税額控除率が5%上乗せされ、最大30%の税額控除

※大企業の場合は、所得拡大促進税制においては、新たに雇用した労働者に支払った賃金の増加額を基準として算定していました。今回の改正では、2年間継続して雇用している労働者に支払っている賃金の増加額を基準として算定することになりました。

大企業は中小企業と違って、対象が「継続雇用者」のままですね。(要件緩和がないです。)

実務における注意点

✓比較対象となる「給与の額」の注意点です。(改正点ではないです。)

    • ①役員や特殊関係者(役員の親族)の給与除く・退職金除く・通勤手当は含めてOK(継続適用)・確定拠出年金も含めてOK
    • ②給与系の補助金(雇用調整助成金・キャリアアップ助成金など)は控除する
    • ③国内雇用者とは国内に所在する事務所につき、賃金台帳に記載された者を指す。
      ⇒外国人でも国内の事務所に雇用されていればOK、国外(営業所など)の駐在員に支払った給与はダメ

まとめ

別表6(31)は、大企業と中小企業とで同じ別表を使うため、記載場所や記載内容に注意が必要かと思います。例えば、大企業の場合は、「継続雇用者給与等支給額」欄への記載が必要(中小企業は空欄でOK)です。

別表の詳細については、こちら(国税庁HP)を一度、ご確認頂けたら幸いです。

最後までお読み頂き
ありがとうございました。